―瑞樹Side―
「吉川?これはどういうことだ?」
次の日の放課後――。
吉川を数学準備室に呼び出した。
昨日のことを追及するために。
机の上には香月のメモ帳を置いた。
メモ帳を見て、顔の表情が変わる吉川。
やっぱり吉川がやったのか?
「何ですか?これ……」
目を逸らす吉川。
「香月のメモ帳だ」
「それがどうかしたんですか?」
俺は何も言わずにメモ帳を開いた。
それを見て吉川は「あっ……」と小さく声を上げた。
「吉川?本当のことを話してくれないか?」
「い、言ってる意味がわかりませんが?」
明らかに動揺してる。
一昨日のHRの時といい、どうして吉川は香月に食って掛かるんだ?