「香月……ゴメン……。俺が昨日、メモ帳を落としたんだ……。それに気付かないで……。もしメモ帳を落としたことに気ついていたら香月を苦しめることなかったのに……。辛い目に合わせることもなかった……」



香月が俺の肩をポンと叩いた。


香月は優しい笑顔で俺を見ると、首をゆっくり左右に振った。


そしてポケットから携帯を取り出した。


香月が見せてくれた携帯のメモ機能には【自分を責めないで?】と書いてあった。


なぁ、香月……。


お前はどうしてそんなに優しいんだ?


俺のせいでこんなことになったのに、どうして俺を責めないんだ?



「ありがとう……」



香月はニコッと微笑んで、首を左右に振った。




―瑞樹Side end―