保健室のベッドに香月を寝かせた。
「軽い脱水症状だな。でも意識がハッキリしてて良かった」
咲哉が香月を診てそう言った。
「香月?水分はしっかりとった方がいい。飲めるか?」
咲哉の手話に頷く香月。
俺が手話さえ出来てたら……。
香月をこんなに苦しめることなかったのに……。
お茶を一気に飲み干す香月。
「大丈夫か?」
俺の言葉に香月は頷いた。
香月は咲哉に手話で何か伝えてる。
「瑞樹、香月がさっき何で謝ったのか聞いてるぞ」
咲哉がそう言った。
「香月……これ……」
俺はポケットからメモ帳を出した。
目を見開いてメモ帳を見る香月。
そして俺の手からメモ帳を取ると、中を開いて見た。
マジックでグチャグチャに塗り潰されているページ。
“裏切者!”
“あんたんかいなくなればいい!”
そう書かれているページ。
香月はポタポタ涙を流しながら見ていた。