体育館倉庫のドアを開けると、香月が倒れていた。 「香月!」 俺は香月の傍に駆け寄って、香月を抱きしめ体を起こした。 額には汗が吹き出していた。 制服もビッショリ濡れていた。 「香月!大丈夫か?」 香月のホッペを軽く叩いた。 うっすらと目を開ける香月。 目を開けたとたんに、香月の目に涙が溜まる。 ポロポロこぼれる涙。 怖かったな……。 辛かったな……。 ゴメンな……ゴメンな……。 俺は香月をギュッと強く抱きしめた。