俺は原西の横を通り過ぎようとした時……。
「そうだ!確か……」
えっ?
俺は原西の方を向いた。
「原西?何か知ってるのか?」
「あ、うん……。吉川と秋本(アキモト)と矢沢(ヤザワ)が話してるのを廊下で聞いたんだ……」
「何て?何て言ってたんだ!」
また吉川かよ……。
いい加減にしてくれよ……。
「確か……“一生、体育館倉庫にいればいいのよ”とか“罰が当たったんだ”とか何とか……」
はぁ?
何だよそれ……。
吉川たちが体育館倉庫に香月を閉じ込めたのか?
「原西、ありがとう」
「いや。じゃー帰るから」
「あぁ、気を付けてな」
原西は体育館裏から立ち去った。
俺は携帯を取り出して咲哉に電話した。



