もしかしたら部活が終わって、片付けでここを開けるかもしれない。
そうしたらここから出られる。
でもそれは何時になるかわからない。
私は鞄から携帯を取り出した。
圏外ではないみたいでホッとした。
携帯を開くと、携帯の明かりで倉庫が少しだけ明るくなった。
【今日は補習が沢山あって少し帰りが遅くなるかもしれないけど心配しないでね】
私はお母さんにメールを送信した。
体育館倉庫の中に閉じ込められたとは書けなかった。
お母さんに心配かけたくないから……。
でも何で吉川麗華がメモ帳を持ってたの?
先生が荷物を持って来るときに落としたとか……。
もしあのメモ帳が学校中に知れたら……。
先生に迷惑がかかるかもしれない。
吉川麗華ならやるかもしれない。
どうしよう……。
どうしたらいいの?
先生のことを好きにならなければ良かった……。
私は膝に顔を埋めた。
再び目から涙があふれてきた。



