阿川先生が保健室のドアの方を見た。
それに釣られて私もドアの方を見る。
先生が入って来た。
“トクン――”
胸が鳴った。
それが“ドキドキ”に変わる。
「待ったか?」
先生は笑顔で言った。
私は首を左右に振る。
「そっか、良かった」
先生は私の隣に座った。
机の上に数枚のプリントを置く。
「始めよっか」
“うん”と私は頷いた。
先生手作りの数学のプリント。
今日、授業でやったとこだ。
私は鞄から筆箱を取り出して、中からシャーペンを出した。
それからポケットからメモ帳を出して机の上に置いた。
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