保健室のドアを開けると、阿川先生はいなかった。


いないなんて珍しい。


そう思いながら保健室の中に入ると、ベッドがある部屋のカーテンが少し開いてるのが見えた。


静かにカーテンを開けて中に入る。


ベッドの上で爆睡してる阿川先生。


童顔のせいか、意外と寝顔が可愛い。


私は阿川先生のホッペをつついてみた。


モソモソ動く姿がおかしくて、またホッペをつついた。


すると、目をパチッと開けて私を見た顔は少し慌ててる。



「あ、香月か……」



上半身を起こす阿川先生。



『何してたの?』


「ん?目を瞑ってただけ」



先生がメガネをかけながらそう言った。



『うそだぁ!気持ち良さそうに爆睡してたくせに!』


「爆睡なんかしてねぇよ!」



笑う阿川先生。



『目を開けた時に慌ててたくせに』


「慌ててないね。香月の勘違いだろ?」



阿川先生は私の頭をポンポンとするとベッドから出た。