【先生×生徒シリーズ】壊れるほど抱きしめて―先生の声を聴かせて―




気付くと俺は、香月の体を抱きしめていた。


ギュッと強く。


ポキンと折れてしまいそうな華奢な体。


俺は香月の長い綺麗な髪を撫でた。


香月が顔を上げる。


驚いた顔をして、目にいっぱい涙を溜めて俺を見ている。



「泣かないで?」



そう呟くと、香月の頬に手をやり涙を拭った。


“ビクン”と反応する体。


俺は香月を見て微笑んだ。


香月は嫌がりもしないで俺の腕の中にいる。


なぁ、香月?


俺の胸の“ドキドキ”がキミの体に伝わってる?


今、凄くドキドキしてるんだ。


痛いくらいにドキドキしてるんだ。


なぁ、香月?


俺はキミを……。


生徒であるキミを好きになってしまったんだ――……。




―瑞樹Side end―