―瑞樹Side― どうして香月が急に泣き出したのかわからなかった。 でも香月の笑顔が見たくて、俺はこの展望台に香月を連れて来たかったんだ。 昔、俺が親父に連れ来てもらってたように。 『私とドライブしたのが彼女さんにバレたら怒られちゃうね』 香月がメモ帳を俺に見せた。 「大丈夫だよ」 俺は香月に笑顔で言った。 『どうして?』 香月が俺の顔を不思議そうに見てる。 「香月はそんなこと心配しなくていいんだよ」 そう笑って、香月の頭をポンポンとした。