先生が私の肩をポンポンと叩いた。


体が“ビクッ”となる。


振り返ると笑顔の先生がいた。



「着いたよ。外、出てみよっか?」



先生が窓の外を指で差しながら言った。


“コクン”と頷いた私は車の外に出た。


柵の前にベンチがいくつか並べられてて、展望台からの景色が見えるようになっていた。


暖かい風が吹いている。


私と先生はベンチに並んで座った。


微妙な距離。


この距離は縮まることはない。



『先生?どうして私をドライブに誘ったの?』



先生の目の前で手をヒラヒラさせてメモ帳を見せた。



「泣いてたから……」



えっ?


泣いてたから?


それが理由?


私は先生の顔を不思議そうに見た。