先生に手首を掴まれた。
“ビクッ”と跳ねる体。
胸が“ドキドキ”して、体中が熱くなっていく……。
私は先生の顔を見た。
「俺と……どっか行かない?」
えっ?
先生の言葉に目を見開く。
胸の鼓動が更に早くなる。
心臓が止まりそうなくらい。
「…………なーんてな、嘘だよ」
先生はニコッと笑うと、握っていた手首を離した。
解放された私は、腰が抜けたみたいにその場にしゃがみ込んでしまった。
「大丈夫か?」
先生が私の体を支えてくれた。
“うん”と頷く私。
先生を見る。
体を支えられてるせいで、先生との距離が近い。
いい香りがする。
“ドキン”と胸が大きく鳴った。
恥ずかしくて、先生から目を逸らして先生の口元を見た。
「ゴメンな……。変なこと言って……。俺、おかしいよな……」
私は俯いて首を左右に振った。



