「彼氏の瑞樹だよ?」



そう淡々と言う星羅。



「こいつ誰?」



俺は星羅に聞いた。



「合コンで知り合った智也くん。酔っちゃったから送ってもらったのぉ」


「そうか……」



俺は智也という男を見た。


いかにも遊んでそうなチャラいイメージの男。


こいつがIT関係の会社の社長なのか?



「俺、そろそろ帰るわ」


「えぇ~、もう帰っちゃうの?」



星羅が甘えた声を出して、男を上目遣いで見る。


そして男に抱きついた。


星羅には悪いことをしてるという自覚はないのか?


もう……。


どうでもいい………。



「俺、ちょっと出てくるから」



俺の言葉を聞いた星羅は、



「そうなの?ねぇ、智也くん!瑞樹、出掛けるって!」



と、はしゃいだ声を出した。



「でも……」



男が戸惑っている。



「いいから。続きしよ?」



甘えた声で可愛く言う星羅。


もう俺は何も言えなかった。


寝室を出てマンションを後にした。




―瑞樹Side end―