寝室のドアの前に立つと、星羅の喘ぎ声と男の低い息遣いが聞こえた。
星羅の喘ぎ声なんて最近は聞いたことがなかった。
「彼氏が帰って来たらどうすんだ?」
もう帰って来てる。
「大丈夫……だよ……。んっ……あっ……瑞樹は……何も……言わないから……」
「悪い子だな」
「……アッ……ンッ……」
俺は寝室のドアを開けた。
寝室のドアが開けられたことに気付かないくらいベッドの上で激しく抱き合う星羅と男。
星羅の上に男が乗り“ギシギシ”とベッドが軋む音と星羅の激しい喘ぎ声が寝室に響いている。
「何やってんだ?」
俺はベッドの上にいる2人に静かに言った。
「えっ?」
動きが止まって、慌てて星羅の上から離れる男。
「瑞樹……」
上半身を起こしてこっちを見る星羅。
「星羅?こいつ誰?」
男が俺を指差して言った。
お前こそ誰だよ。