「ただいま……」
リビングに入ると、電気もテレビもついてるのに星羅の姿はない。
俺はネクタイを緩め、鞄をソファーに投げてると寝室に行った。
寝室に入ると、ドレッサーの前で念入りにメイクしてる星羅がいた。
「あ、おかえり~」
アイラインをひきながら鏡越しに星羅が言った。
「出掛けるのか?」
「うん。合コンの人数が足りないから来て欲しいって頼まれちゃって。メイクが終わったら瑞樹にメールしようと思ってたんだよ?」
やっぱ出掛けるのか……。
「そっか……」
俺という彼氏がいて、よく平気でそういうことが言えるな。
俺はベッドに座った。
「でもね、彼氏いるって断ったんだよ?だけど、どうしてもって頼まれたから断れなくて……」
星羅に俺の心の声が聞こえたのか?
どうせ嘘だろ?
俺はそう心の中で呟いた。