『お母さん、心配しないで?今年は受験の年だから。それで皆、授業が遅れることを心配してるだけだから』


「ハル……」



香月のお母さんが香月の顔を見る。


香月はニッコリ微笑んでいた。



『それにね、川瀬先生って学校で人気あるんだよ。そんな先生に補習してもらえるなんてラッキーでしょ?』



香月……。


お母さんを心配させないようにしてるんだ。


苦情には慣れてると言ってたけど、でも本人が1番辛いはずなのに……。