十和の時

「泣いてるの?」
イツキは十和を覗き込む。
「他の人・・さわんないで・・。」
「うん・・。ごめん・・。おいで。」
イツキは十和の腕をつかみ、自分の方へと引き寄せる。
抱きしめてみて、十和がまたやせたことに気づいた。
イツキの腰ぐらいまでの高さの本棚に、十和を座らせる。
「十和。今日一緒に文化祭、まわろう?」
十和を見上げながらイツキが言う。
久しぶりのイツキに、十和はまた抱きつく。
たまにこうやってかまってくれるだけで、
十和は満足して、またイツキがかまってくれるのを待つ。
振り回されてることに気づきながらも、
好きだから仕方がないと思う。