「いいよいいよ。気にしないで。」 さっきまでは悪魔にしか見えなかったケントが天使のように笑う。こんなにいい人を殴ってしまった、という罪悪感で今にも泣きそうな気分。 「本当、人騒がせな人ね。」 と桃子。 「うっ…………。」 さすがに今日は言い返せない。 「よしっ、これでもう大丈夫よ。それにしても藤川さんたら……フフ。」 保健室の愛先生が私を見て笑う。 「本当……反省してます。」 *