「でも…あたし…」
「うん、知ってる」
「じゃ、なんで…」
「翔真より俺のほうが先に子音ちゃんのこと知ってた」
「…うん」
「でも翔真の思いを聞いて俺、子音ちゃんの諦めてた」
「…」
「だけど…無理だった」





あいつ…
子音のことスキだったのか?



俺はその場に立ち尽くしてしまった。





「でも、あたしは翔真がずっと好きだったの」
「うん」
「だから、瑞乃君の気持ちには応えることはできないの」
「…わかってたよ」
「うん」
「俺の分まで翔真のこと頼むね」
「ありがと、嬉しかったよ」




俺の存在に気づいてない2人の会話は流されいく。




「じゃ、俺行くね」
「うん」





俺はとっさに隠れた。



瑞乃がいったことを確認し、




俺は子音の側まで近寄った。




「…翔真!」




俺は子音の言葉なんて無視して、



そっと抱きしめた。




「し、翔真??」
「このままでいさせて?」