ふと横を見ると…
王子が立ってた。



「子音ちゃん大丈夫?」
「…ック…うぅ」




あたしは思わず王子に
抱きついてしまった。





王子の匂いが、
今のあたしを落ち着かせてくれた。





「よしよし」




王子は優しい手で頭を撫でてくれてた。
その優しさであたしの心臓は、
鼓動を早めていった。




「お前等って付き合ってんの?」





先輩は痛そうな顔で立ち上がった。



「だとしたらなんですか?」




王子は先輩を睨みつけた。




「ッチ。またね、子音ちゃん」




あたしは先輩の背中を見送った。