最後の恋はアナタの隣で

「てか、いつ見たの?」

「昨日のお昼だよ。ここの近くに神社あるじゃん? その前に車止めて話してた」

「見間違いじゃないの?」

「んなわけないじゃん。あんな派手な人を見間違えると思う?」

衣装部屋の中から聞こえてくるのは女の子二人の声で、どうやら片方がユカリを見たという報告をしているようだった。


「まぁ……確かにそうだね。あたしでも見間違えないわ」

「でしょ? そんでさ、何かちょっと真面目な話してるっぽくて、あのユカリちゃんが泣いてたんだよ」

「うわ~。じゃあ絶対黒じゃん。超ショック」

「何でアンタがショック受けるのよ?」

「そんな人であってほしくなかった、みたいな?」

「あー、その気持ち何となく分かる。真面目な人ってイメージだもんね」