最後の恋はアナタの隣で

繁華街に着いて、いつものパーキングに千秋が車を止めると、私はすぐさま扉を開けて車外に出た。


途端に、気まずい雰囲気から解放されて、少しだけ心が軽くなる。


その心と、安堵のような物を感じながら、千秋が開けてくれたお店の扉を抜けると――すぐに春樹さんの姿が視界に飛び込んできた。


春樹さんはバーカウンターの椅子の配置を整えていて、


「どうしたんだ? 疲れた顔してるぞ?」

私の顔を見るなり、心配そうな声を出す。


「……疲れてないよ」

「本当か?」

「うん」

「無理せずたまには休んで良いんだぞ?」

「……本当に大丈夫だから気にしないで」

春樹さんの優しさにチクリと胸が痛んで、そんな素っ気ない言葉しか返せなかった。