最後の恋はアナタの隣で

「最初は二時間だけ延ばそうと思ってたんだけど、一緒に飲んでたら楽しくなって、調子に乗っちゃった」

相変わらずの優しい笑顔を纏い、トロンとした、妙に色っぽい目を向けてくる千秋。


私は何故かドキッとして、


「だ……だったら……出勤時間まで千秋のお店で寝たら良かったのに……」

そう口篭りながら、重なっていた視線を逸らした。


「大丈夫だよ。慣れてるから」

「でも、しんどい事には変わりないでしょ……?」

「ううん、大丈夫。あ、でも、涼ちゃんが添い寝してくれるなら店で寝ても良かったな」

「は!? そっ、添い寝!?」

「あはっ。冗談だからそんな焦らないで。本気で嫌がられてるみたいで傷付いちゃう」

悪戯な笑みを浮かべた千秋は、目の前にある灰皿で煙草の火を揉み消す。