最後の恋はアナタの隣で



春樹さんはいつも、私を傷付けない為に自分が我慢しようとする。


言いたい事はたくさんあるはずなのに、胸の内に隠して我慢してしまう。


春樹さんと付き合うまで、恋愛経験が全くなかった私には、それを見抜く事が出来ない。


何が嫌で、何が嬉しくて、何をしたら良いのか――そんな単純な事でさえ、私には分からない。


だから、きちんと話してほしいって思う。

春樹さん自身の口から本音を聞きたい。

他の人の口から聞かされるのは――苦しいし、切ない。


でも、そう思っていても、私には春樹さんに「話してほしい」とお願いする権利なんてない。


私は未だに隠してる。


レイプされそうになった事も、拒食症の事も、千秋の優しさに甘えている事も、全部綺麗に隠し続けてる。