最後の恋はアナタの隣で

「まさかアドレス交換までするとは思ってなかったんだよ、きっと」

「……ちょ、ちょっと待って」

「うん?」

「あのっ……春樹さんが本当にそう思ってるんだとしたら、私、凄く酷い事をしてたって事になる……よね? 春樹さんの目の前で千秋とメールしたりして……」

「んー……確実にそうだとは言い切れないけど、春樹にとっては拷問みたいな物だったんじゃないかな」

「……」


凄まじい罪悪感に襲われて、言葉が出なかった。


千秋の優しさに甘えて浮かれていた私の傍で、春樹さんがそんな風に嫌な気持ちになっていたなんて……。


「まぁ、こういう嫉妬は恋人間でよくある事だよ。それより、冷めきる前に食べちゃいな」

呆然とスプーンを握ってる私に、千秋は優しく諭すような声を出す。


その声に少しだけ救われた気分になって雑炊を口にしたけど、味があまり分からなかった。