最後の恋はアナタの隣で

「えっとー……三週間位前、かな?」

「何で?」

「何でって……ていうか、何でそんな事聞くの?」

「……いや、深い意味はない。ただ聞いてみただけだ」

気にしないでくれ――と言って、ソファから腰を上げた春樹さんの表情は、明らかに不満そうだった。


だけど、何に不満を感じているのか見当もつかなくて、キッチンの流しに立って食器を洗い始めた春樹さんに、私は何も言えなかった。


……千秋は春樹さんの幼馴染みだ。


だから、もしかしたら春樹さんは……千秋を取られたみたいで嫌だったのかもしれない。


千秋が春樹さんを一番のお気に入りにしているのと同じように、春樹さんもまた、千秋の事を大切な友達だと思っているはず。


それなのに、私なんかが急に横から入って来たら、気分を悪くして当然だ。