最後の恋はアナタの隣で

そして――そんな生活が始まって二週間が過ぎた、週末の土曜日。


たまには休憩も必要だと言って、お勉強会をお休みにした千秋は、私を映画館につれて行ってくれた。


繁華街からそれほど遠くない場所にある、大きな映画館。


そこで千秋と一緒に選んだのはホラー系の映画で、私は思う存分叫びまくった。



少しずつ。
ゆっくりと。

嫌な思い出が薄れていく。

千秋の優しさに触れる度、心が癒されていく。


春樹さんが作ってくれるご飯や、給食を吐くのはまだ治っていなかったけど、それでも、吐く量は明らかに減っていた。


――そんな私に。


「珍しいな。さっきから誰とメールしてるんだ?」

春樹さんがそう声を掛けてきたのは、千秋と最初に映画を見に行った翌週の、日曜日の夜。