最後の恋はアナタの隣で

「拒食症になった原因が何なのか、自分で分かってたりする?」

千秋の問いはやっぱり予想していた通りの物で。

覚悟は出来ていたはずなのに、いざ本当に聞かれると少しだけ動揺した。


「ん……分かってるよ……」

「もし良かったら、話してもらえないかな?」

「……」

「大丈夫。無理強いはしないよ。話したくなければ話さなくても、」

「レイプ……」

「……え?」

「されそうに……なったの……学校で……」

ゆっくり――吐き出すように落とした言葉は、完全に震えてた。


千秋を信じてみたいと思った時、私はもう、あの事を話そうって決めてた。


だから震えないように、って。
怖がらないように、って。


そう思ってたのに……やっぱり無理だった。