最後の恋はアナタの隣で

「あ、違うよ。涼ちゃんに怒ってるわけじゃないよ」

すぐに視線を逸らした私に気が付いたらしく、千秋は笑みを含んだ声でそう言った。


それでも何となく怖くて、横目でチラリと千秋を見ると、


「自分の店の状態も把握出来てなかった俺自身に怒ってるだけ。だから、涼ちゃんは何も気にしないで」

千秋はいつも通りの声色で、見慣れた笑顔を浮かべていた。


ホッとした私は、今度こそきちんと千秋の方へ視線を向ける。


「でさ、ちょっと教えてほしいんだけど、具体的にどんなイジメを受けてるの?」

「え? あ、えっと……無視されたり、私いつも仕事中はお酒をほんの少ししか入れてないんだけど、それをロックにされたり、転ばされたり、煙草の火を当てられたり……後は聞こえるように文句言われたりしてる」