最後の恋はアナタの隣で

「全部って……拒食症以外にも何かあるの?」

私の思いを聞いてくれていた千秋が、遠慮がちに疑問を口にする。


テーブルの上に置いてあったオシボリで、何のメイクもしてなかった私はゴシゴシと涙を拭き、鼻を啜って小さく息を吐き出すと、


「……学校でイジメられてる……」

千秋に辛うじて聞こえる位の声を呟いた。


「イジメ……?」

「……うん。学校だけじゃなくて、職場でも」

「職場って……俺の店?」

「……うん」

「まじか……」

目を伏せながら話してる私には、千秋がどんな表情をしてるのか分からない。


だけど声の感じからしてきっと、申し訳なさそうな顔をしてるんだろうなって思った。


――そして案の定。


「本当にごめん。俺の責任だ」

千秋は申し訳なさそうな声で謝罪を口にする。