最後の恋はアナタの隣で

「ありがとう、涼ちゃん。俺を信じてくれて」

有り得ないくらい緊張してる私の耳に聞こえてきたのは……涙腺が緩んでしまう程の、優しい声だった。


「辛かったよね。一人でよく頑張った。でも、もう大丈夫だよ」

思わず顔を俯かせて泣く私に、尚も優しい声を与えながら、千秋は私の右隣に移動して腰をおろす。


「俺と一緒に治していこうね。涼ちゃんのペースで良いから、ゆっくり治していこう」

温かいその言葉を聞いただけで、私の心に絡み付いていた重い鎖は、粉々に砕け散っていった。


「本当はッ……春樹さんにも言いたかったの……」

「うん」

「でも、……春樹さんに心配かけたくなくて……」

「うん」

「心配ばっかかけてたら……いつか嫌われちゃうかもって思ってて……」

「うん」