屋上に行く事は諦めたけど、それでもまだ私には問題が残っていた。


男子の笑い声に対する嫌悪感。

その所為でご飯を食べる事が出来ないという、何とも情けない現象。


それが学校でだけならまだしも、家での食事の時にも現れてしまい、私は心底苦しめられていた。


春樹さんに「食べれない」なんて言えない。

そんな事言えるはずがない。

言えば春樹さんは絶対に心配するだろうし――その原因を探るだろう。


だから私は無理して食べていた。

込み上げて来る吐き気を我慢して、無理矢理胃の中に食べ物を詰め込んでいた。


そしてその全てを――トイレで全部吐き出していた。


春樹さんに嫌悪感なんて抱いてないのに、どうしてこんな風になってしまったんだろう。