“お子様”じゃないんだから、遊ぶ相手で行動が変わったり、趣味趣向が変わったりするわけないじゃん。


それなのにわざわざ注意してきたりして……リンは本当に馬鹿な奴だな。


何も言わない代わりに、心の中でそんな事を思いながら、トレーに乗ったカツカレーをスプーンでつついていると、


「そういえばリンちゃん、彼氏とはどうなってるの?」

隣にいるミサキのその発言に、私は思わず手を止めてリンに視線を向けた。


「あー……涼には言ってなかったね。ミサキは塾で一緒だから話してたんだけど……」

私の視線に気が付いたリンは、少しバツの悪そうな顔をする。


リンに彼氏がいるなんて全然知らなかった。


塾で一緒じゃなくても学校で顔を合わせてるっていうのに……どう考えても苦しい言い訳だ。