最後の恋はアナタの隣で

「なーんだ! それなら良いんだ!」

途端にパッと明るくなるユカリの表情。


それを見た私は何だか気持ち悪くなって、早々と前に向き直り、何も言わずに先に歩き出した。


「春樹さんって、まじでカッコイイよねぇ!」

「そうだね」

「狙っちゃおうかな?」

「良いんじゃない?」

背後から投げ掛けられる言葉に、感情のない返事を繰り返す。


長くなりそうなユカリの馬鹿話に飽き飽きした私は、大通りに差し掛かった所で足を止めた。


「ここからタクシー乗ってく」

「えー!? もっと話そうよぉ!」

「明日学校だから帰って寝たい。殴られた部分も痛いし」

言いながら手を上げてタクシーを停めると、「気を付けて帰ってね」と言うユカリに返事もせず、タクシーに乗り込んで行き先を告げた。