最後の恋はアナタの隣で

「――涼」

背後から私の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。


振り返らずとも、その声の主が誰なのかすぐに分かったけど、無視する訳にもいかずクルリと振り返る。


そして。


「……何?」

少し距離を取って立っていた――ユカリに――私は刺のある声を発した。


「……ちょっと話があるんだけど」

「だから、何?」

「衣装部屋の中で話しても良い?」

「……」

今更何を話すつもりなのか、全く見当がつかない。

ユカリの性格上、嫌がらせの件を謝るとも思えないし、密室でユカリと二人きりになるのはどうかと思う。


……だけど。


友達の中で一番付き合いの長いユカリを、どうしても無下に扱う事が出来ない。

私は無言で衣装部屋の扉を開けると、開けっ放しの状態で中に入り、パイプ椅子に腰をおろした。