最後の恋はアナタの隣で

「うん?」

「お店の前、通り過ぎちゃったよ!」

何故か車を止めずにそのまま走らせる千秋に、慌てて声を掛けた。


「あぁ、大丈夫。パーキングに止めるだけだから」

言いながらハンドルを左に切り、いつも春樹さんが車を止めてるパーキングに入る千秋。


「車止めてどうすんの?」

「俺も店に行く。年明けに行って以来、顔出してないし」

「じゃあお酒飲んでくの?」

「まさか。飲まないよ」

「え? 飲まないのに何で行くの?」

「……もしかして涼ちゃん、春樹から俺の事何も聞いてないの?」

車を止めてエンジンを切った千秋は、運転席の扉に手を掛け苦笑いを零すと、


「俺、あの店のオーナーだよ?」

驚きの発言を残して、扉を開けて車から降りて行く。