最後の恋はアナタの隣で

急に抱き付いた私の頭を優しく撫でながら、春樹さんは本当に嬉しそうにそう言った後、


「だけど……周りのツレに女が出来たりするような年齢になった時に、怖いっていう感情が生まれたんだ」

苦しそうに――切なそうに――言葉を紡ぐ。


そして。


「俺の中にはあの親父の血が流れてる。だから、俺も同じ事をするかもしれない。愛してる女と一緒になったって、アイツと同じ事をして傷付けてしまうかもしれない。そう考えると……誰かを好きになるっていう事が怖くなった」

まるで胸の内に溜まっていた毒を吐き出すように、自分の抱えていた思いを一気に口にした。


「まぁ、離婚が原因っつーか、親父が原因だな。涼に出会うまで俺はずっと、父親の呪縛に囚われてたんだ。我ながらダサい話だとは思うよ」