最後の恋はアナタの隣で

その前に、働き続けるつもりもなかったから、暫く出勤出来ないって言って、そのまま二度と来ないでおこうと思ってたのに……ユカリが即答した所為で、何となく言い辛い雰囲気になってしまった。


「……来週の金曜日でお願いします」

私は仕方なく次回の出勤予定を組むと、ユカリと一緒にお店を後にした。


“眠らない街”には、まだたくさんの人が溢れかえっていた。


アルコール臭い息を吐く男女。

その間をスルスルとすり抜け、人通りの少なそうな道を選んで角を曲がると――ネオンで輝いてた煌びやか《きらびやか》な道は、一瞬にして暗い夜道へと姿を変える。


まるで――陰と陽。


どっちの世界が陰で陽なのかは分からないけど、私にとっては確実に“あっち”の世界が陰だ。