最後の恋はアナタの隣で

私は掛ける言葉が見つからず、ただ黙って、春樹さんと同じように暗い海の果てに視線を移し、


「好きになれなかったのには理由があってさ――親の離婚が原因なんだ」

再び聞こえてきた悲しい声色と言葉に、胸の奥がギュッと締め付けられた。


私には、春樹さんの気持ちが痛いほどよく分かる。


忘れたいと思っても、乗り越えたいと願っても……簡単に消えてはくれない心の傷。


私はそれを知ってる。


父親の顔すら分からない私は、その傷が与える痛みと、愛情の脆さへの恐怖を知ってる。


だから。


「……涼? 泣いてるのか?」

自然に涙が溢れ出してきてしまった。


「何で涼が泣くんだよ。ここは俺が泣いて、涼に慰めてもらうシチュエーションじゃねぇの?」