最後の恋はアナタの隣で

今時、貞操観念の強い人間なんてほとんどいない。

中学三年生にでもなれば、男女のほとんどが“初めて”を終えてる。


事実、私の周りだってそうだ。


友達と呼べるほど仲良くないクラスメートだって、コソコソと“初めて”の話をしてる。


そんな世の中だから、私の事を十八歳だと思ってる春樹さんが、処女の話を嘘だと捉えるのも無理はない。


その上、夜の世界に入ろうとしてるんだから、今までに彼氏の一人や二人いて、事を済ませてるだろうって、そう思われるのは当然の事。



「え? もしかして、本当なの?」

喋らない私を見て何か察したのか、春樹さんは心底驚いてるって感じの声を上げて、目を丸くした。