「涼。出かけるから準備しろ」

ベッドで気持ち良く眠ってた私は、春樹さんのその声と、体を揺らされた事で目を覚ました。


「出かけるって……どこに……?」

まだ完全に開ききってない目で春樹さんを見つめ、パチパチと瞬きを繰り返しながら問い掛ける。


今日は日曜日でお店の定休日だから、お仕事はお休み。

そんな日にどこかへ出かけた事なんて今まで一度もなくて、少し不思議に思ってそう聞いてみた。


「涼のドレスを買いに行く」

「……えぇ!?」

春樹さんの返答を聞いて裏返った声を吐き出した私はすぐさまベッドから起き上がり、


「なっ、ななな何でドレス!? 前に一着買ったじゃん!」

ベッドから腰をあげようとしてる春樹さんの腕を掴んで、慌てて引き止めた。