最後の恋はアナタの隣で

「違うって。本当に可愛いと、」

「私真剣に悩んでたんだよ!? 千秋に春樹さんを取られたらどうしようって考えて、凄く嫌な気持ちになってたんだよ!?」

「だからごめ、」

「なのに何!? 人の反応見て楽しんでたの!?」

「ちょっ、おい、」

「春樹さんがそんな人だとは思わなかった! 私の心で遊ぶような人だとは思わなかった!」

湧き上がる怒りをどうにも抑えきれず、呼吸をするのも忘れて春樹さんを捲し立てた。


すると、春樹さんは笑うのをやめてポツリと呟く。


「すまん……本当に悪い事をしたと思ってる」

その顔は本当に反省しているようで……私はそれ以上何も言えなくなった。


春樹さんのこういう顔は少し苦手に思う。

私の意思を全てかき消してしまうから、どうしたら良いのか分からなくなってしまう。