最後の恋はアナタの隣で

「嘘だっ! だって、千秋じゃない……千秋じゃないよ!!」

今までずっと千秋の事を女だと思っていた私は、軽いパニックを起こした。


そして、呆然と千秋の顔を見つめていると、出勤前に春樹さんが言っていたあの言葉を思い出した。


“行ったら怒るどころか、恥ずかしくなるから”


……そうか。
アレはこういう事だったんだ。


「春樹さん酷い!! 何で本当の事言ってくれなかったの!?」

今までの嫉妬や言動が恥ずかしくなって、春樹さんをギッと睨み付けた。


春樹さんの大きな目には、笑いすぎた所為で涙が溜まっている。


「いや、涼の拗ねてる顔が可愛くて、つい」

「嘘つき! ただ面白がってただけでしょ!?」