最後の恋はアナタの隣で

隣に座ってる春樹さんが、私の頬を指先でツンツンとつついてきた。


何だろうと思い春樹さんの方へ顔を向けると、春樹さんは私の目の前に一枚のカードを差し出す。


「……は!? 嘘でしょ!?」

そのカードが意味する事実に、驚いた私は声をあげた。


「まぁ、そういう事だから」

春樹さんはそう言って、お腹を抱えてケラケラ笑う。


春樹さんが私に見せた物、それは――運転免許証だった。


しかも、今まさにカウンターに立ってる、中性的な男の人の物。


名前の欄にはしっかりと、“須藤千秋”と記されていた。


「どうも。春樹の幼馴染みの千秋です」

私を見つめる綺麗な顔がニッコリ優しく微笑む。