最後の恋はアナタの隣で

「相変わらず繁盛してる。お前もたまには顔出せよ」

「俺は忙しい」

「忙しいって、ただカクテル作ってるだけだろぉが」

二人は凄く仲良さげで、春樹さんは今まで見た事のないような、無邪気な笑顔を見せている。


私は二人の会話を邪魔しないように口を閉じ、店内をキョロキョロと見回した。


未だ現れてこない“千秋”の姿を探す為だ。


でも、広い店内を見る限り、女の従業員は一人もいない。


少しして、バーカウンターの向こうにあるキッチンらしき所から従業員が出てきたけど、残念な事にその人も男だった。


“千秋”は一体どこにいるんだろう。

自分のお店だから出勤が遅いのかな?


私の頭の中はどんどん“千秋”の事で埋め尽くされていく。


――その時。