最後の恋はアナタの隣で

「ね、ねぇ……春樹さん。“千秋”って……美人?」

私の左隣に座って煙草に火を点けた春樹さんに、恐る恐る“千秋”の事を聞いてみた。


その瞬間、春樹さんは煙草の煙でむせ返り、ゴホゴホと苦しそうに咳き込み始める。


そして、呼吸を整え終わるや否や、私の質問に答えもしないでクスクス笑いだした。


何で笑うのか気になったけど、今はそんな事よりも“千秋”の事を聞かなければならない。


「どんな人なの? 美人? それとも可愛い?」

私はしつこく春樹さんに食い下がった。


「んー……どうかな?」

「どうなの?」

「ぶっ! あははは!」

今度は声をあげて笑いだした春樹さん。


私の頭の中は混乱一色になった。