最後の恋はアナタの隣で

その対面、私から見て左手にはボックス席が四つ並んでて、三組のお客さんがお酒を飲みながらそれぞれ談笑していた。


キャバに来るお客さん達みたいな、激しい飲み方をしてる人は一人もいない。


ワーワー騒ぎながらゲームをして、負けた人がお酒を一気飲みするなんて、そんな無茶な飲み方をしてる人達はどこにもいない。


……だから無性に緊張した。


こんな大人の雰囲気満点なお店を経営してる“千秋”は、一体どんな人なんだろう。


こんな空間に似合うような、美人な容姿をしてるんだろうか。


そう思うと、半端じゃないくらいの緊張感に襲われた。


大人で、綺麗で、教養もあって――全てが完璧な人。


“千秋”へのイメージをどんどん膨らませながら、春樹さんが引いてくれたバーカウンターの椅子に腰を下ろすと、