最後の恋はアナタの隣で

私は、“千秋”がどんな人であっても――例え“千秋”が春樹さんに恋愛感情を持っていなかったとしても、今まで通り嫉妬してしまう。


春樹さんに関わる女って考えただけで……頭が変になりそう。


――でも。


これ以上「行かない」って言って、本当に一週間も家から締め出されてしまったら、頭が変になるどころじゃ済まない。


寂しくて発狂して、そのまま死んでしまいそうだ。


「……分かりました。諦めて“千秋”のお店に行きます……」

完全に不貞腐れてそう言うと、春樹さんは満足気に微笑んで私の手を握り、“千秋”のお店に向かった。



――五分ほどで着いた“千秋”のお店は、繁華街の中心部に佇んでいた。


地味なわけでもなく、これ見よがしに派手なわけでもない、大人の雰囲気が漂う外観。