「どうせ、チヤホヤされたいだけだろ? 客とたくさんヤって、貢いでもらって、自分はモテるって勘違いしたいんだろ? この淫乱女が」

「……」

「お前みたいな奴がいるからこの商売は馬鹿にされるんだよ。分かってんのか?」

「……」

「おい。何か言えよ淫乱。聞いて、」

「うるせぇんだよ」

「……あ?」

「あ?じゃねぇよ。うるせぇっつってんだよ、おっさん」

私は吐き捨てるようにそう言って、対面に座るお客さんをギッと睨む。


出来る事なら、最後まで我慢したかった。


浴びせられる暴言を聞き流して、何事もなく終わりたかった。


だけど。


私にも我慢の限界っていう物がある。