…――ユカリとお店の女の子だった。


一番見られてはいけない相手との遭遇に、私は足を止めて呆然とする。


「涼、どうしたんだ?」

二人に気が付いていない春樹さんが、急に立ち止まった私の顔を不思議そうに覗き込んできた。


その瞬間、ユカリは怪しげな笑みを浮かべ、一緒にいるお店の女の子と共に、人混みの中へと消えていく。


「涼?」

真っ白になった脳内に春樹さんの声が響いた。


だけど、それに対して思うように声が出せない。


……どうしよう。
どうしたら良いんだろう。

お店でユカリと顔を合わせて、一体何て言えば……。


考えても考えても最善を見つけられず、泣きそうになった私は春樹さんを見上げた。